朝鮮高校への就学支援金制度適用を求める声明

2025年2月28日

朝鮮高校への就学支援金制度適用を求める声明

日本と朝鮮を結ぶ全国ネットワーク

共同代表 保坂正仁

中村元氣

藤本泰成

 

2025年度予算案の成立をめぐって、自公両党と日本維新の会の間で、上限の引き上げや所得制限の撤廃など高校就学支援金制度の拡充について議論が展開されている。そのこと自体は歓迎されるべきものだ。しかし私たちは、旧民主党政権から自民党第2次安倍政権に至る同制度の導入に関して、在日朝鮮人子弟が通う朝鮮高校が、国交のないことなどを理由にして除外されたことを忘れてはならない。

今回の制度改変の中で、民族学校としての朝鮮高校が高校就学支援金制度の対象とされることを、強く要求する。

そもそも、制度導入時には所得制限のない権利としての高校授業料無償化制度としてスタートし、民族学校も対象とされていたが、紆余曲折を経て第2次安倍政権の発足とともに文部科学省令の変更によって朝鮮学校のみが対象から除外された。朝鮮高校生は、差別に憤り、制度の適用を求めて声を上げ全国5ヵ所で司法に訴えてきた。しかし、現在に至るまで制度適用は実現していない。国連人権機関は、民族教育の権利を認め制度からの朝鮮高校除外を人権侵害として、権利回復を強く勧告している。

在日朝鮮人の存在は、1910年から1945年まで続いた日本の朝鮮半島に対する植民地支配による。今まさにグローバル化する国際社会にあって、多民族・多文化共生の考え方を否定することはできないだろう。歴史的な経過も含めて、在日朝鮮人への差別的な取り扱いを許すことはできない。

2002年9月17日、小泉純一郎首相と金正日国防委員長の間で「日朝平壌宣言」が交わされた。両国関係の早期正常化のためにあらゆる努力を尽くすことの決意と、日本側からの過去の植民地支配への痛切な反省が示された宣言は、朝鮮側から、遺憾な事態が今後二度と起こらないよう適切な措置をとること、東北アジアの平和と安定の維持・強化のための相互協力を確認し、新しい日朝関係への期待を膨らませた。しかし、事態の進展は止まったままになっている。

石破茂首相は、就任前後に朝鮮との拉致問題の解決を含めて連絡事務所の設置に言及し、関係改善には韓国と同様経済的支援も考えなくてはならないと述べた。私たちは、国交正常化や両国間の懸案事項の解決のためには、両国首脳による対話の再開が不可欠と考え、石破首相の英断に期待を寄せる。同時に、私たちは対話の相手である朝鮮にルーツを持つ在日朝鮮人の権利確立も、その前提として重要な課題であると考える。

朝鮮との対話再開のためにも、朝鮮高校への就学支援金制度の適用は重要な一歩であると考える。私たちは、そのためにも今国会での差別撤廃を強く要求する。

 

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